企業インタビューならコープ|鮮魚の通販、お取り寄せなら弁慶丸

企業インタビュー ならコープ

「この人を応援することが、漁業の未来を繋ぐことだ」と考え、その日のうちに取引を決断しました。「市民生活協同組合ならコープ」水産チーフバイヤー 荒 昌浩さん

目次

  1. 地域密着型スーパーの水産部門責任者。品質管理の厳しさは生協一!!
  2. 大手とは真逆の戦略。それでもまだ、奮闘する日々……
  3. 暴れるほどの新鮮さ!ピカピカの魚はお客様からの評判も◎
  4. こだわりの魚メニューで勝負したい。そんなお店に、弁慶丸の魚はおすすめです
  5. 弁慶丸コメント

地域密着型スーパーの水産部門責任者。品質管理の厳しさは生協一!!

まずは簡単に、自己紹介をお願いします。

「ならコープ」は、奈良県という地域内で11店舗を展開する市民生活共同組合(以下:生協)です。
ならコープの特徴は、生協全体の中でもトップクラスで添加物の取扱い基準が高いこと。例えば「赤色○号」「青色○号」といった着色料が使用された食材は、基本的に取り扱いをしません。何か商品を仕入れるとなれば、商品部が添加物についての細かいチェックリストを使用し、2週間ほど調査した結果、基準をクリアした食品のみを取り扱うようにしています。
また、企業とタイアップして作るコープオリジナルブランドも、徹底的に添加物を排除し、使用基準に合ったものだけを製造・販売しています。

なぜそれほどまでに、添加物にこだわられているのでしょうか?

それほど品質管理に厳しい理由は、徹底して安心・安全にこだわっているからです。
たとえば数の子という食材に関しては、他のスーパーの場合、漂白して見た目を綺麗にした上で店頭に並べることがほとんど。その方が綺麗に見えて、お客様が手に取ってくれやすいことも事実です。
しかし、食品は見るものではなく「食べるもの」なので、見た目の綺麗さよりも、本当に大事にすべきなのは「体にとって安全なものかどうか」。私たちは、食品という「大事な体を作るもの」を提供する立場だからこそ、お客様の健康に貢献ものだけをお届けしなければならない、という気持ちを強く持っています。

当然、他の生協が取り扱いをしている食品であっても、ならコープでは取り扱うことができない、というものも少なくないことは玉に瑕ではあります。しかしそれ以上に、自信を持っておすすめできる食材だけを取り扱っているので、商品に誇りを持てるところは、良さの1つですね。

大手とは真逆の戦略。それでもまだ、奮闘する日々……

弁慶丸との取引前に抱えていた悩みや、解決したかった問題などはありましたか?

今もまだ全て解決できているわけではありませんが、「水産部門の利益アップ」が大きな課題でしたね。
実際に現場にいる立場だからこそ言えますが、悲しいことに、水産部門はスーパーにとって「お荷物部門」だと認識されていることが多々あります。肉などは、仕入れされるとそのまま陳列して販売すればいいのですが、魚の場合はそういうわけにはいきません。たいていは、一度ケースから取り出して調理し、パッケージして陳列するという手間がかかるのです。そしてそれだけの手間暇がかかっているのにもかかわらず、肉に比べると売り上げが低いので、「低利益・高人件費」という“問題児”として、本部からも目をつけられてしまっているのが現状ですね。

当時はその問題の解決や欲求を満たすために、どのようなことに取り組まれていましたか?

今でも行なっていることですが、「魚のこだわり」を打ち出すということです。
たとえば大手スーパーなどであれば、大量に仕入れて安く提供するという「価格」で勝負することができますが、私たちのような地域密着型スーパーでは、それと同じことはできません。予算も限られていますし、何より大量に在庫を抱えても、消費できず、結果的に大量のロスを生んでしまいますからね。

だからこそ、「産地直送」や「対面販売」、手を加えない状態でまるごと1匹提供するなど、他でもないならコープだからこそ提供できるこだわりを打ち出すことが最善だと思い、取り組んでいます。
産地直送という言葉は、お客様にとって魅力的に聞こえますし、実際に鮮度も非常に高いので、お客様からの満足率もかなり高いです。また対面販売をすることで、「魚の捌き方」や「おすすめレシピ」など、お客様にとって魚を買うことの懸念点を解消してあげられるので、販売数も伸びやすいのです。

それでも残った、あるいは新しく発生した悩みはあるのでしょうか?

産地直送を打ち出すのはすごくいいのですが、鮮度を保つことの難しさには、頭を抱えました。
産地直送というのは、その新鮮さがお客様にとっての価値になるのですが、それ故に魚自体も敏感であるので、少しでも配送の到着が遅れたりすると、すぐに痛んでしまいます。先ほどもお伝えしましたが、ならコープは他の生協の中でもトップクラスで品質に厳しいことが特徴。そのため、比較的近くの港から採れたてをすぐに出荷してくれるところ限定となることから、取引できるところがそもそも少ないということも懸念していました。

また、仕入れの値段の高さと、仕入れ量の不安定さも課題でしたね。
産地直送となると、鮮度の良さなどは魅力ではありますが、一方で状態がいい分、どうしても仕入れ価格が高くなるので、数多く仕入れると負担が大きくもなってしまいます。また、11月から2月という寒い時期は、海が時化(しけ)て仕入れ量も不安定になるので、魚のバラエイティに欠けてしまうことも、スーパーとしては回避したい課題と言われていました。
それにより、当初クリアすべきだった「水産部門の売り上げアップ」への貢献も安定せず、今よりもさらに苦しい時期を過ごしていましたね。

暴れるほどの新鮮さ!ピカピカの魚はお客様からの評判も◎

そんな中、弁慶丸を知った経緯は何だったのでしょうか?

同じ水産部門の先輩バイヤーが、インターネットで見つけ教えてくださったことが、弁慶丸をしったきっかけでした。
当時、産地直送の魚を仕入れていましたが、お客様の反応が良くなったので、他の仕入れ先について、いろいろとリサーチをしていたところだったんです。といっても、私はインターネットは苦手なのですが、その先輩バイヤーの方がそうしたリサーチの得意だったようで。
たまたま見つけた弁慶丸のサイトを見せられたのですが、そこで大阪の住宅メーカーの営業マンから漁師に転身したストーリーを拝見して、「面白そうだな」と思い、会いにいくことに決めました。

弁慶丸との取引を決断した理由は何だったのでしょうか?

河西さんの情熱や思いに共感し、応援したくなったからというのが1番の理由です。
河西さんは、たった1日の漁師体験で漁業に魅せられ、結婚前だったのにもかかわらず、安定したキャリアを捨てて漁師に転身されたとお聞きしました。それだけ聞くと、ただ破天荒な様子を感じるだけですが、それだけ魚という生き物を愛し、そして日本の漁業を未来に繋いでいきたいという熱い想いが込み上げてきたからこその決断だとおっしゃられていたんです。もともと私自身、水産部門で働いて早30年ほどになるほどの「魚大好き人間」だからこそ、そうした熱い思いに惹かれたのでしょうね。

また、河西さんの「魚は絶対にさばかない」という思いにも共感しました。
今は魚の捌き方を知らない人も多いので、基本的には魚は捌いたり、煮たり焼いたりと加工がされていなければ、なかなか売れません。しかし河西さんは、「家庭で魚をさばく苦労を知ってから食べた方がおいしいし、ありがたみを感じるから」という理由で、加工しないとおっしゃられていました。
そんな河西さんの魚に対するリスペクトにも共感し、「この人を応援することが、漁業の未来を繋ぐことだ」と考え、その日のうちに取引を決断しました。

実際に、弁慶丸から送られてくる魚の品質はいかがでしょうか?

魚のコンディションは、市場にある魚と比較できないくらい良いですよ。
というのも、河西さんには「魚を食べる喜びを伝えたい」という想いがあるので、魚の扱いが水揚げ段階からして丁寧なのが、見てすぐにわかります。漁師の方がみんな、魚を宝物のように扱う人ばかりではないのですが、その差は魚についた傷や鮮度を見れば一目瞭然。河西さんが引き揚げてくださった魚は、見た目もピカピカと光っているので、お客様からの評判もいいですよ。

弁慶丸の魚は、獲れた状態に1番近いまま送られてくるのが魅力ですね。
一口に漁法といっても様々ですが、弁慶丸では従来の底引き網でも、魚に与えるストレスが低く、鮮度は非常に高い状態でキープされたまま届きます。そうした新鮮さは、他の産地直送のものと比べても、大きく違うと思いますよ。

こだわりの魚メニューで勝負したい。そんなお店に、弁慶丸の魚はおすすめです

弁慶丸の魚は、どういった取引き先におすすめでしょうか?

大手のスーパーではなく、小回りの利く鮮度にこだわりを持つスーパーにおすすめ出来ます。
大手のやり方と同じやり方を真似できないのは、何もスーパーだけではなく、飲食店も同じ。
個人で営業をされている居酒屋さんや小料理屋などにもおすすめできます。
食材へのこだわりなどがお客様に届きやすく、それがお店にとっての武器になりやすいというのも、同じということです。
大手には価格で勝てないのであれば、価値で勝負することが、小規模店舗の取れる大手に負けない唯一の方法。弁慶丸の魚は、こうしたお店の魚メニューをよりおいしくブラッシュアップさせる素材になり得ると思っています。

仕入れが高くても、鮮度にこだわりを持てるのであれば、もちろん弊店と同じようなスーパーにもおすすめしたいのですが、同じ部門の人間から言わせると、それってなかなか難しいこと。だからこそ、仕入れが多少高くても、こだわりでカバーしやすい居酒屋さんや小料理屋さんには、ぜひ弁慶丸の魚を仕入れていただき、こだわりの魚メニューをお客様に振舞っていただきたいですね。

弁慶丸に対する不満や問題点があるとすれば、どういったものが挙げられますか?

贅沢を言えば、弁慶丸がとった魚以外の割合が高くなっている点ですかね。漁と販売の掛け持ちで寝る時間もままならないので、河西さんに無理は言いたくありませんが、もう少し弁慶丸でとった魚の割合を増やして頂きたいです。とくに弊店はスーパーなので、河西さんはご自身で「お客様が困るから、品揃えに影響を与えてはいけない」という責任感を持っていただいているのだと思います。獲れた量が少ない日は、別に配送してくださる量を減らしてもらっても構いません。河西さんが目利きした魚や仲間の漁師さんたちの魚も間違いはないですが、取引を始めるきっかけとなった「この人を応援することが、漁業の未来を繋ぐことだ」を、ブレずに保つことになりますからね。

最後に、弁慶丸とのお取引きに迷っている方へ、一言お願いします!

弁慶丸の魚は、これだけ品質検査に厳しい私たちが取り扱いを続けているので、品質に関しては何も問題ないと思っています。
味については好みもあるでしょうが、それは仕入れて、実際に食べてみるまで判断できません。ただ、その新鮮さと味に驚き、納得することは間違いない!と断言してもいいくらい。「本物」だということは、水産部門歴30年の私が保証します。

魚という生き物は、漁師の魚に対する想いや情熱が伝わっておいしくなるものだと私は思っています。
そして弁慶丸の魚は、まさに河西さんの漁業に対する熱い思いをたくさん受け取っているので、きっとあなたも納得して仕入れられるはず。ぜひ一度、小ロットからでも仕入れてみて、弁慶丸の魚を味わってみてくださいね。

ならコープ
本部: 奈良市恋の窪1丁目2番2号
ホームページ: http://www.naracoop.or.jp/

弁慶丸コメント

荒さんとの出会いは衝撃的でした。こんな水産バイヤーがいるんだと驚きました。以前からスーパーや量販店さんからお取引のオファーは頂いておりましたが、たいていお断りしておりました。「規格を合わせてほしい」「お届け日時は厳守してほしい」などを言われても、海が時化たら、一匹も魚の水揚げはありません。荒さんのように、「獲れなければ仕方がない。それが産直の醍醐味で、うちのお客様にもキチンと説明出来る」と言う水産バイヤーさんは、ほとんどいなかったです。荒さんのような水産バイヤーさんが一人でも増えると、日本の水産業界は大きく変われると確信しています。今後共、勉強させて下さいませ。

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