その1漁師直送だから、生産者の顔が見え
安心できるから、魚のプロが送るから
“漁師直送”・・・【弁慶丸とれたて直送便】は、
漁師である私が、直接、この目で目利きした魚たちしかお届けいたしません。
通常の一般流通ルートですと、水揚げされた魚がスーパーなどで消費者の目に触れるまでにどんなに早くても3~4日程度かかってしまいます。
なぜなら、水揚げされた魚はいったん産地の卸売市場でセリが行われ後に、もう一度消費地の卸売市場でセリが行われるというように、二重にセリを経ることでタイムロスが発生してしまうためです。
昭和初期の物流が発達する前は、この流通ルートは大量に魚たちを取り扱うには有効な手段でした。水揚げからの日数がたつほど魚の新鮮さやおいしさはもちろん損なわれていってしまいます。
加えて、このような複雑な流通のしくみを経由すると市場手数料・運搬費などの中間コストがより多くかかってきてしまいます。
結果として、消費者の手元に届く魚は鮮度が落ちた値段の高い魚となります。これでは生産者と消費者の距離はなかなか縮まりません。
私たち漁師は食卓に新鮮でおいしい魚をお届けするために、毎日、命を張って海に出ます。ですから、命がけで獲った海の恵みを、自然からの命を頂くという行為をムダにされたくはないのです。
海から揚がったばかり、つまり最も鮮度の良い魚を見ているのは私たち“漁師”です。
その活きの良さ、美しさを知っているからこそ、魚の“鮮度”を正しく見極めることができます。
また、“旬の魚”を一番知っているのも漁師です。
本当の“旬”とは、「この季節には、この魚」という知識だけでは足りません。
日本列島は縦に長く、同じ魚でも“旬”が少しずつ違っています。
気温や海流の変化で、獲れるはずだった魚が獲れない、というような話は皆さんもテレビやニュースでお聞きになったことがあるでしょう。
「今、この時季の日本海で何が一番、旨いのか」
それを知っているのは、実際に海に出て、魚を獲っている漁師です。
私がふつうの漁師と違っているところもあります。
それは、お客様とお話をさせていただいていること。
顏や名前を明らかにして、直接、皆様のところに魚を届けていますので、無責任なことはできません。自分の父や母、子供たちに食べさせても恥ずかしくないと思える魚だけを選んで、丁寧に送らせていただいています。
また、通販という顔の見えにくい関係を少しでも改善したいと思い、定期注文コースのお客様を対象に「弁慶丸を囲む会」という顔合わせの食事会なども開催しています。
「知り合いに漁師がいて、そこから送ってもらってるんだよ」
私からお送りした魚を、そのように紹介してもらえるよう、これからも皆さんとの距離を縮めていきたいと思っています。
その2自分でさばいて食べたい、魚料理が上達したい・・・
その欲求が満たされるから
【弁慶丸とれたて直送便】では、魚を捌かずに“丸”のまま発送させていただいております。
切り身などではなく、魚が生きて泳いでいた丸の姿そのままにお送りすることは、お魚好きな方から大変ご好評をいただいております。
「普段はまったくキッチンに入らない夫。でも、丸のままの魚を見た途端、何かスイッチが入ったらしく、『自分がさばく』と言って目を輝かせていました。お店のようにはなかなかいきませんでしたが、自分でさばいたお魚がとても美味しく、夫も満足そうでした」
「孫たちが遊びに来た時は、私が弁慶丸さんからいただいた魚を料理して振る舞っています。台所で魚をさばく様子を見て、最初は怖がっているのですが、だんだん神妙な顔つきに。食べるということは“命をいただく”ということだと伝える絶好の機会になっています」
「最初は正直、おっかなびっくりでしたが、回数を重ねていく内に魚をさばける自分になったことが実感できました。子供たちもこの時ばかりは尊敬の眼差しで見てくれます。丸のまま送られてくる魚は、やはり鮮度が違います。もちろん、その美味しさも。子供たちも食べ終わると『お父さんの魚の日、次はいつ?』と聞かれます。おいしいものは子供でもわかるのですね」
食べ物をさばいて、家族と一緒に食べる・・・それは原始から続く生活。
だからこそ、それができると自分に“誇り”を感じるのかも知れません。
丸のままお送りする魚だからこそ、“本当の新鮮さ”が実感できます。
~ 包丁を入れた瞬間から、鮮度は落ちていきます。
丸のままお送りする魚だからこそ、“命”をいただくのだということが実感できます。
~ 切り身しか知らない子供が、その生命を尊いと感じることができるでしょうか。
丸のままお送りする魚だからこそ、“新鮮な食べ物を用意できる自分”が誇らしくなります。
~ 魚がさばける、それはあなたの誇りになります。
海から揚がったばかりの魚を、泳いでいたそのままの丸の姿で送らせていただきます。
ぜひ、“丸のままの魚”でなければできない体験を味わってみて下さい。
その3日本海の旬の鮮魚がおいしいから、
日本海側の鮮魚を探していたから
日本海の魚たちは他の海と比べてなぜ美味しいと評価されるのか?
鳥取県水産試験センターの元センター長の増田紳哉さまに
専門的なご回答を頂きました。
海はどれも同じだと思っていませんか?実際には、どの海にもその海域ならではの特徴があり、個性を主張しています。
日本海は太平洋などの大洋と比べると池のような小さい海です。そうはいっても100万平方キロメートルという範囲の中に約130万立法キロメートルという膨大な量の海水が蓄えられています。日本海のすごさは、この蓄えられた海水と最大水深約3,600メートル、平均水深約1,350メートルという深さにあります。
その表層部は東シナ海から流入する高塩分の暖流・対馬海流と、間宮海峡付近からの低塩分の寒流・リマン海流によって特徴づけられています。北緯40度付近には2つの海流が接する極前線と呼ばれる大きな潮目があり、この潮目に沿ってスルメイカが南北に大移動を行うことが知られています。
特に、水深100メートル付近までは暖かい対馬海流の影響を受け、イワシやマグロなどの海の幸が運ばれてきます。
水深300メートル付近になると水温は0度に限りなく近づいていきます。詳細なデータでは、水深300メートル付近の水温は日本海では0.3度、北のベーリング海でも3.5度、太平洋では約9度と明らかに他の海に比べ冷たくなっています。それ以降の中深層は海底までほぼ一定の温度・塩分濃度を示すようになります。この中深層の水塊は「日本海固有冷水」と呼ばれ、季節や上層水の影響をほとんど受けない、安定したきれいな水質を保っています。日本海のすごさはこの水塊「日本海固有冷水」にあるのです。この日本海固有水に満たされた領域に、冬の味覚の王様である「松葉ガニ」や「ハタハタ」など多くの魚介類が生活しています。このように、巨大な冷蔵庫とも言える日本海固有水で育まれた水産資源だからこそ新鮮でピュアなまま美味しく頂ける理由だと考えられています。
その4魚が好きでたまらない人を、
喜ばせることができるから
【弁慶丸とれたて直送便】は、「魚が好きなあの人を喜ばせたい」と思って、
お求めいただく方が本当に多いです。
「漁村の近くで生まれ育った夫。私の作る魚料理に文句こそ言いませんが、褒めてもくれませんでした。でも、弁慶丸さんのお魚だけは『うまいな』、と褒めてくれます。お魚を知っている人を喜ばせるのは、とても嬉しいですね」
「お魚が好きな母ですが、都会ではお店に並ぶ魚の種類も限られていますし、新鮮で美味しいお魚はなかなか手に入れることができません・・・。そんな母にとって弁慶丸さんの直送便は“特別なプレゼント”。料理を出し、母がそれを食べ、『おいしいねぇ』と笑ってくれると、私は親孝行できたなぁって思えるんです」
「社内でも釣り好きで有名な上司へお中元で贈らせてもらいました。すると後日、『あれは衝撃だった。これまでもらった贈り物の中でもナンバーワンだ』との言葉をもらいました。魚が好きな人だからこそ喜んでもらえたんですね。また来年もお願いします」
弁慶丸の魚は、“旬”と“鮮度”に徹底的にこだわります。
それは「おいしいお魚を食べたい/食べさせたい」というご期待に応えるため。
この魚の通販を始めた当初は、自分が獲った魚だけにこだわってお届けしておりました。海の商売(漁)というのはたいてい1つの魚種を狙って海に出ます。ですから同じ日に同じ魚が大量に水揚げされます。また旬の魚を獲るばかりでなく、今、獲れるから獲るという「漁獲の旬」を優先して漁をする場合も多いです。
その結果、自分が獲った魚だけにこだわると、種類が少なく、魚の旬を無視した鮮魚セットになってしまう傾向がございました。時には冬場に美味しいアンコウが夏場にたくさん獲れるので、漁師のエゴだけでお届けして、厳しいご意見を頂きました。そのような経緯から、「漁獲の旬」ではなく「魚の旬」にこだわり、自分が獲った魚以外もお詰めするようにして、今のスタイルが確立されました。
【弁慶丸とれたて直送便】でお送りするのは、豊かな日本海の海から揚がったばかりの稀少な天然魚。
漁師自らが目利きし、本当の旬の美味しさが伝わるように、丁寧に丁寧にお送りいたします。
ぜひ、お魚好きなご家族、ご友人と一緒にお召し上がり下さい。
そして、『おいしいねぇ』と笑い合っていただけたら幸いです。
その5ただ単純に弁慶丸を応援したいから
漁師の想い・熱意・本気度が伝わるから
注文時のアンケートやお届け後のお客様の声を見ていて、漁師冥利に尽きる思いです。
本来、漁師の仕事はセリ市場に自分が獲った魚たちを並べたら、それでおしまいです。自分が命をかけて獲った魚たちが、その後、どのような運命をたどるのかなんて、それまで考えた事もありませんでした。
特に水産業界においては、我々、生産者である「漁師」と消費者である「あなた」との距離は遠いものでした。この漁師直送の通販事業を始めて、一番うれしい事は、消費者であるあなたと直接、繋がっているという実感が生まれた事でした。
つらく孤独な海での作業も、「弁慶丸の魚を待ってくれている人がいる」と思うだけで元気と勇気が湧いてきました。それまで単なるお金に代わる「漁獲物」であった魚たちの向こうに、今まで想像したこともなかったたくさんの消費者がいる事に気づかされました。
魚たち一匹一匹に対する扱いや想いが、単なる「漁獲物」から、命を育む「食べ物」へと意識が変わった瞬間でした。
今や農業の世界においては、農家さんから直接、お米や野菜、果物などが買える時代になりました。
また農業体験や収穫祭などで農家さんと直接、触れ合う機会も多い様に感じます。ただ漁業の世界ではまだまだ既存の商慣習に阻まれ、漁師直送なんてあまり馴染のない言葉で見るのも聞くのも初めての方も多いかと思います。
私がこの漁師直送の通販事業を始めた当初は、全国的にも13人ぐらいの漁師さんが先行してインターネットで販売をされていらっしゃいました。
一人一人の力は小さいので、情報交換しながら大きな流れにして行きましょうと声を掛け合っていましたが、地元の漁協や漁師とトラブルになり、販売をまたひとりまたひとりと辞めていかれました。まだ誰も歩んでいない未開拓のいばら道を無我夢中で歩んで来ましたが、気が付けば私の歩いた足跡は消え、雑草が生い茂り誰も見えなくなってしまいました。
今でも全国各地から販売について話が聞きたいと各地の漁師さんが鳥取に来られますが、それぞれの地元に戻られると、販売の一歩を歩みだす事が困難な状況のようです。
株式会社 弁慶丸の将来のビジョンとして掲げる「生産者と消費者をダイレクトにつなぐ漁師直送文化の創造」をこれからも地道に築き上げて行きます。
いずれ大きな流れになり、渦になり、海流になる事を夢見て、地道に歩んで参りますので、応援の程、よろしくお願いいたします。