キジハタ(ハタの仲間)
2020.03.30
キジハタ
関西地方では「あこう」と呼び、珍重される魚だ。ハタ科としては中型で、40㌢を超えると大きい方だろう。青森県以南の沿岸に分布するが、黒潮域の太平洋側よりも日本海側と瀬戸内海に多いようだ。知る人ぞ知る、高級魚である。
成長や生息域により、色合いや斑紋が異なるから注意しよう。
マハタ
日本記録は、魚拓寸で192.4 ㌢ 重量114 ㎏(さかな大図鑑・小西英人)という。本州沿岸では10 ㎏あれば大物だろう。相模湾なら2 ㎏で超高級魚である。ハタ科の仲間は多いが、大物ではクエとマハタが双璧だろう。九州の唐津くんち祭で特に珍重され、㎏あたり数万円に跳ね上がると聞く。もろこ、あら、などの勇ましい地方名もある。
刺し身
①魚の大きさは違っても、下ろし方は基本通り。
②エラ口を切り離す。
③カマとエラを外す。
④内蔵を傷つけないように、腹を開く。
⑤エラごと内蔵を取り出したら、血合いを切って水洗いする。
⑥胸ビレ際から包丁を入れ、背ビレ際の皮を切る。
⑦腹側から中骨に沿って片身を下ろす。反対側も同様に開くと、三枚下ろしの完了だ。
⑧血合い骨を切り取り、サク取りしたら皮を引く。ぽってりと厚い身は、どう刺し身に切っても旨い。
⑨口いっぱいの1切れは、マハタならではの醍醐味だ。
⑩脂ののった腹身は、酢みそに合えてヌタにする。
⑪胃袋は開いて洗い、湯引きしたらポン酢じょう油だ。
⑫余った刺し身はしょう油に30分ほど漬けるだけで、マハタのづけ丼だ。
⑬大きな頭部を2つに割り、煮つけにする。
⑭細々としたパーツは適宜に切り、ハタ鍋にする。大きな魚ほど、無駄になるところが少ないのだ。皮も湯引きしたら、皮ポン酢である。
⑮キジハタの刺し身は、姿造りがよく似合う。
⑯残ったアラは、味噌汁にしよう。