サザエ - 弁慶丸

西潟正人の魚道場

サザエ

2020.01.20

サザエ

 

身近にあって知っているつもりのサザエだが、家庭料理では敬遠される。バーベキューのように焼いたら、コンロが汚れる。刺し身は、やり方がわからない。フタは、どうやって開けるの? 巻き貝は、簡単に考えると危険だ。食べてはいけない箇所を、覚えておきたい。知ってしまったら、恐いものなし。刺し身、つぼ焼き、煮貝、サザエ料理はどれも嬉しいものばかり。わっ、サザエだぁ!

 

殻から出す

①サザエに限らず、殻付きの貝は生きていないと食用にならない(希に冷凍もある)。水槽で生かされているより、海から捕ったばかりが望ましい。海藻を常に食べているから、身が太っている。

②しばらく静かに置いて、フタが緩んだら隙間に食器ナイフを差し込む。

③フタを起こすようにして、取り外す。

④食器ナイフで、貝柱を切る。螺旋の内側が、貝柱だ。

⑤指を入れて螺旋の内側をなめるように、左回しする。

⑥くるくると左へ回すと

⑦全体が、抜ける。腹ワタの先端(渦巻き状)が生殖巣。緑色は雌、白ければ雄だ。

 

刺し身

⑧外したフタを裏返して

⑨殻の底に沈める。刺し身が、奥へ落ちないようにするためだ。

⑩生殖巣だけを切り取る。

⑪ヒモ(ふんどし)が付着している貝柱を切り取る。

⑫可食部は生殖巣、貝柱、脚。

⑬脚と生殖巣の間は、腹ワタだ。生食、生煮えは危険。毒物を食べていることもあり、あたると貧血や下痢を起こす。夏のバーベキューで丸ごと食べる人を見るが、腹ワタは出すようにしたい。

⑭フタが付いていた筋肉は、サザエの脚だ。岩肌を這い巡るので、けっこう汚れている。タワシで洗い流そう。

⑮真ん中の筋に沿って切る。

⑯口も、2つに割れるはずだ。

⑰口の周辺も、毒物と思いたい。きれいに切り取ろう。

⑱堅い脚は薄く削ぎ切り、柔らかい貝柱はぶつ切りにする。

⑲殻の底に生殖巣を置いてから

⑳刺し身を盛りつける。身を食べていると、珍味の生殖巣が顔を出す。

 

つぼ焼き

㉑壺の底に敷いた、フタを取り除く。生殖巣は底に入れてもよし、上にのせてもよし。水を貝殻の半分くらいまで入れ、沸騰したら酒を加える。

㉒全体に火が通ったら、しょう油で味付け。少し、煮詰める。

㉓しょう油が焦げて磯の匂いが立ちこめたら、ころ合いだ。箸をのばす前に、まずは一杯。グビリ、といきたい。

 

余録

㉔神奈川県では6月から7月末まで、潜り漁が解禁になる。1年ぶりに潜る漁師は、まず浅場のサザエで体を慣らし、やがて水深10㍍まで潜ってアワビを狙う。初夏の風物詩は、ここにもある。

㉕傍らで、県水産試験場の職員が貝殻の径を計っている。アワビ、サザエのほとんどは稚貝を放流した産物だ。規定より小さければ、海へ返される。